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ぎっくり腰を繰り返した末に脊柱管狭窄症と診断された腰痛

ぎっくり腰を繰り返した末に脊柱管狭窄症と診断された腰痛

■来院された方:Bさん・和泉市在住・30代男性
■主な症状:腰痛、右大腿部後面のしびれ
■病院での診断:腰部脊柱管狭窄症

来院までの経緯

来院10カ月前から2,3カ月毎にぎっくり腰を繰り返していた。年末に激しい痛みに襲われて救急搬送され、脊柱管狭窄症と診断される。しびれが強くないため手術は必要ないと言われ、しばらく投薬で様子を見ていたが、改善が見られないため来院。

初回来院時の主な悩み

  • 痛みが強くなる恐怖心から子供を抱っこできない
  • ぎっくり腰を繰り返してしまう
  • 痛みで仕事のパフォーマンスが低下している

初回来院時の体の状態

  • 全体的に筋緊張が強め
  • 腰殿部の広範囲に圧痛を認める
  • 下肢の筋委縮や筋力低下は認めず
  • 座っていると腰殿部痛と右大腿部しびれが出現
  • 痛くて腰を反らせない

施術の様子


腰殿部置鍼術×徒手療法


中・小殿筋トリガーポイント刺鍼

施術経過

 

1回目

腰殿から大腿部にかけてトリガーポイントを検索。特に過敏化の強い骨盤帯の筋・靭帯を中心に、鍼と特殊ツールを用いて施術した。

2回目

前回帰宅途中から変化を実感し、痛み・しびれの軽減状態が3,4日続いたとの報告を受ける。
施術は初回とほぼ同様。

3回目

長時間座った後などは仙骨部に痛みが出やすいものの、全体的に良くなっていることを自覚。左右差も感じなくなっている。
痛みの軽減に伴う活動量増加が予想されたため、より広範囲のトリガーポイントを処理することに。

4回目

自分でも驚くほど調子が良く、少しずつ子供を抱っこできるようになってきたとのこと。
前回施術後、2日ほど重だるさ続き、それ以降はほぼ痛みなし。
運転による右下肢のしびれも出なくなっている。

5~7回目

腰の張りや重さを感じることはあっても痛みまではいかない。
職場環境の変化などもあったため、痛みが再発しないかやや不安が残る。
腰背部から股関節周りを重点的に施術。

8~10回目

子供を長時間抱っできるようになる。
心配していた腰痛の再発もなく、調子よく過ごせている。
短期集中の施術は終了とし、予防を兼ねたメンテナンスの施術に移行。

施術者から

施術者:院長 谷田陽平(鍼灸師)Bさんはぎっくり腰を繰り返し、遂には救急搬送されるという大変な経験をされた末に当院に来られました。お子さんを抱っこしてあげられないことが本当に悔しそうで、私としてもなんとか力になりたいという一心で施術に臨んだ印象に残る症例です。

本症例の一連の施術は、なぜぎっくり腰を繰り返してしまう人が多いのかを改めて考える良い機会になりました。
これまでの経験を振り返ってみても、再発を繰り返す人は治しきるという意識が低い傾向にあるように思います。

ぎっくり腰の痛みは適切に対処すれば通常短期間で治まりますが、「とりあえず痛みが治まった」は必ずしも「治った」ことを意味するわけではありません。この違いを意識してケアを続けられるかどうかが、その後の痛みの出方に大きく影響してきます。

Bさんの痛みは数回の施術で治まっていましたが、その段階で早々にケアを中断していたら、今でも再発のループから抜け出せずにいたのではないでしょうか。

中途半端な回復で満足することなく、治しきる意識をもってケアを継続すること。これがぎっくり腰を繰り返さないために最も重要なことだと思います。

繰り返す腰痛でお困りの方は、腰痛施術について詳しく書いたページも参考にしてみてください。