【椎間板ヘルニア】ブロック注射が無効だった右腰下肢痛と足底のしびれ
■来院された方:Eさん・堺市在住・40代女性
■主な症状:右腰下肢痛(移動性)、足裏のしびれ
■病院での診断:腰椎椎間板ヘルニア
来院までの経緯
数週間前に発症し、歩けないほどの右足の激痛で病院を受診。MRI検査の結果、椎間板ヘルニアと診断される。ブロック注射は無効、痛み止めを飲んで様子を見るも痛みは治まらず、ネットで当院のことを知り来院に至る。
初回来院時の主な悩み
- 痛みのために家事や車の運転ができない。
- 痛みの増減が激しく、薬が効かない。
初回来院時の体の状態
- 右殿部~ふくらはぎ間で痛みが移動。
- 腰部に強い筋緊張を認める。
- つま先立ちを維持するのが困難。
- 麻痺、筋委縮、筋力低下は認められない。
施術の様子
腰下肢痛・しびれ(腰椎椎間板ヘルニア)に対する低周波鍼通電
腰下肢痛(腰椎椎間板ヘルニア)の鍼治療
施術経過
右殿部~ふくらはぎ間に低周波鍼通電と整体を施す。
痛みは残り2~3割に減少しており、自分で車を運転して来院。家事も布団の上げ下ろし以外はできるようになり、しびれもやや軽減している。
筋肉痛様の痛みのあるふくらはぎを中心に施術。
つま先立ちを保持できるようになり、足裏のしびれの範囲も縮小。
腰、太もも裏など、痛みがある部位が日によって異なるのは変わらず。
施術内容を変え、鍼(低周波なし)と吸い玉で施療。
痛みほぼ消失。足裏の外側に少ししびれが残存。
腰殿部、ふくらはぎ、足に低周波鍼通電。その後、腰から足にかけ整体を施す。
しびれ消失。
鍼治療(低周波なし)と整体による仕上げの施術。通院終了とする。
施術者から
ブロック注射や服薬の効果が乏しい腰下肢痛は、神経痛ではなく筋・筋膜性の痛みの可能性があります。本症例もその疑いが強く、筋・筋膜をターゲットに施術を行いました。
施術に際しては、刺激に対する感受性や心理的な問題などを考慮し、この方に最適な施術をデザインするよう心掛けました。
セオリーから外れた遠回りとも思える施術を選択することになりましたが、結果的には5回で施術終了。ここまで順調な改善は予想していなかったというのが正直なところです。
このような成果が得られたのは、よく似た事例で失敗した過去の経験に学び、「症状」と「人」を総合的に見ることができたからだと分析しています。
症状から効果的な施術を理論的に導き出し、パーソナルセラピーとして最適化すること。本症例は、その重要性を再認識できた印象深い一例となりました。
よく似た症状でお悩みの方は、腰痛について詳しく書いたページも参考にしてみてください。