鎮痛剤が効きづらい慢性肩こりに伴う頭痛
■来院された方:Gさん・堺市在住・40代女性
■主な症状:頭痛、肩こり
来院までの経緯
もともと肩こり持ちで、月に1,2回は頭痛があった。約2カ月前に肩こりが悪化したのを契機に頭痛の頻度が増加し、吐き気を伴うことも。数種の鎮痛剤を試すも効果は十分でなく、改善の兆しが見えないことから鍼灸の受療を決意する。
初回来院時の主な悩み
- 薬を飲み続けることで健康を害するのではないかと不安がある
- 頭痛と肩こりで仕事のパフォーマンスが低下している
初回来院時の体の状態
- 首、肩の筋肉が強く緊張
- 無意識のうちに食いしばっている
- 体がこわばっているせいか、眠りが浅く疲労が抜けていない
施術経過
施術範囲は頚部から背部とし、鍼は頚部のみにとどめる。
施術後、ふわふわした感覚あり。少し休むと回復。
施術した日はぐっすり眠れて次の日はスッキリするとのこと。
頭痛が軽減したせいか、首のこり感が際立つようになる。
鍼の刺激に慣れてきたため、背部まで刺鍼範囲を拡大。
首・肩こりが軽減し、頭痛が起こっても鎮痛剤を飲まずにやり過ごせる日が増える。
経過良好のため、施術間隔を2週間おきに延長。
さらに施術範囲を拡大。頭部の施術を加える。
症状が落ち着いていることを確認し、月に1回程度の予防的施術へと移行。
施術者から
鍼灸の効果が期待できる頭痛は、主に緊張型頭痛、片頭痛、薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)の3種です。頭痛の診療ガイドライン2021では、緊張型頭痛と片頭痛の予防/発作期いずれにおいても、鍼灸が非薬物療法の選択肢のひとつとして推奨されており、薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)についても「効果が期待される」と記載されています。
今回のケースは上記に当てはまらない(確定的な診断がされていない)頭痛でしたが、危険な頭痛でないこと、肩こりとの関連性が認められることなどから、適応症と判断しました。
施術により症状は徐々に軽減し、鎮痛剤の使用も月に0~1回まで減少。服薬の不安は解消されました。
鍼灸は複数の鎮痛システムを駆動し、薬とは異なる機序で痛みを鎮静化する刺激療法です。鎮痛剤の効果が不十分、長期服薬のリスク、薬物乱用頭痛の既往など、何らかの服薬の悩みを抱えている方にこそ、鍼灸を積極的に取り入れてほしいと思います。
