月別アーカイブ: 2019年7月

偽坐骨神経痛

坐骨神経痛

  坐骨神経痛なのに神経に問題がない? お尻から脚にかけての痛みがあって病院に行くと、検査をしなくても結構な確率で「坐骨神経痛」と言われるようです。MRI検査でヘルニアや脊柱管(神経の通り道)の狭窄といった異常が見つかれば当然それが原因だと言われます。 いずれのケースでも痛み止めを出されるのが一般的ですが、薬では痛みが止まらずに長期間苦しむ人も多く、痛みに耐えかねて手術をする人や何度も手術を繰り返す人も大勢おられます。   これらの「坐骨神経痛」の多くが実は神経痛ではない可能性が高いことをあなたはご存知でしょうか?   坐骨神経痛が神経痛じゃないとはどういうことか、疑問に思うかもしれませんが、これは紛れもない事実です。     坐骨神経痛“もどき”と筋・筋膜痛 例えばお尻の筋肉が何らかの原因で痛むことで、坐骨神経痛とそっくりの症状が現れることがあります。 私自身、痛みの実験に使用する食塩水注射をお尻の筋肉に打ったことがありますが、見事に痛みが足首あたりまで広がりました。このとき注射を打ったのは坐骨神経の通り道から離れたところにある筋肉ですから、食塩水が坐骨神経に作用したとは到底考えられません。にもかかわらず坐骨神経痛様の症状が引き起こされたのです。 坐骨神経痛に苦しむ人は大勢いますが、その大半はこうした筋肉由来の坐骨神経痛“もどき”だと考えられます。     手術をすべきかどうか 素人目に見ても異常だと思えるような画像所見でも、手術をせずに(神経への圧迫を取らずに)痛みがなくなることはよくあります。逆に、手術で痛みが取れたと喜んでいても、時間と共に手術前と同レベルの状態に戻ってしまうこともあります。 検査で明らかな異常が見つかれば手術をしなければならないと思うかもしれません。しかし手術は飽くまでも選択肢の一つに過ぎません。排尿・排便障害や下肢の麻痺があれば手術を迷っている暇はありませんが、そこまでの坐骨神経痛は稀です。 こうした症状を含む危険な兆候を除外できれば、手術をせずに解決できる可能性は高いと思われます。 とにかく痛みを何とかしたくて勧められるままに手術をする人もいますが、できれば手術をせずに治したいというのが本音ではないでしょうか。 椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の手術を検討している方は、筋・筋膜痛という観点から治療を見直してみるのもいいかもしれませんね。   長期的な目で見れば、手術をしてもしなくても結果は同じかもしれません   さぁ、あなたはどうしますか?続きを読む

神経障害性疼痛とリリカ

坐骨神経痛

リリカ(一般名「プレガバリン」)という薬をご存知でしょうか? リリカは神経障害性疼痛と線維筋痛症の疼痛に対して効果があるとされている薬で、私の知る限りでもかなりの人数が首や腰のヘルニアや脊柱管狭窄症などでこの薬を処方されています。 リリカは副作用の強い薬として知られており、服用者の話を聞く限りでも副作用を自覚する人の割合は多く、その症状は頭痛や吐き気、めまいなど多岐に渡ります。   因みにこの薬は日本国内で最大の売上を誇るほど多用されていますが、英国では乱用による死亡を防ぐために規制の対象となりました。     リリカの副作用が悪目立ちしてしまう背景には「帯状疱疹後神経痛」「脊髄損傷後疼痛」「糖尿病性神経障害に伴う疼痛」「線維筋痛症」という効能が実証された4つの疾患から「神経障害性疼痛」という曖昧な疾患に適応が拡大されてしまった現実があります。 坐骨神経痛など、本来の適応疾患以外で服用する際は副作用に見合うだけの効果があるか慎重に検討するべきだと思います。   こちらの記事も参考にどうぞ☟ 乱用される国内販売トップの鎮痛薬「リリカ」続きを読む

湿布の正しい使い方

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整形外科をはじめ病院で処方されることの多い湿布。市販品の種類も豊富で、いかにも良く効きそうな感じのCMは誰でも一度は見かけたことがあるはずです。 痛みがあるときに手軽に使用できるのは湿布の大きなメリットですが、その反面、副作用を考慮していなかったり、効果のない症状に使用するなど誤った使い方をしている人も少なくありません。 湿布は使い方次第で良くも悪くも作用しますので、これまで適当に使っていたという方は今後の参考に是非ご一読ください。      湿布に関するよくある勘違い ①副作用 皮膚かぶれ、痒みといった皮膚症状は比較的起こりやすい副作用です。その他に光線過敏症、胃腸や腎臓、肝臓などの臓器障害、喘息発作など重篤なものもあります。 湿布は飲み薬と比べて薬剤の血中濃度が上がらず重篤な副作用の危険性は少ないと言われていますが、沢山貼れば当然リスクは高くなります。何も気にせずあちこちに貼っている人は特に注意が必要です。 まずは湿布は薬の一種だという認識を持ちましょう。   ②痛みに対する効果 湿布は炎症を鎮める薬の成分が皮膚から吸収されることで効果を発揮します。  炎症とはケガや病気の際に生体に起こる一連の防御反応で、発赤、熱感、腫脹、疼痛、(機能障害)の4(5)兆候があります。赤みを帯びていて熱っぽく、腫れている時の痛みはまさしく炎症による痛みで、打撲や捻挫を思い浮かべてもらうと分かり易いかと思います。 こうした炎症を伴う痛みには湿布の効果が期待できますが、逆にそれ以外の痛みには効果はありません。   ③痛み以外に対する効果 ②とも関連しますが、湿布は何にでも貼れば効くという都合の良いものではありません。硬くなった筋肉をほぐしたり、シビレや浮腫みを解消する目的で使用している人をたまに見かけますが、これは大きな間違いです。 湿布は決して万能薬ではありません。「取り敢えず」という感覚で使用するべきものではありません。     湿布を適切に使用するために 打撲や捻挫など、原因がはっきりしていてズキズキと疼くような場合、つまり炎症性の痛みには湿布の効果が期待できます。 一方で、炎症が関与しない肩こりや腰痛などには湿布の効果はあまり期待できません。この場合は筋肉をほぐしたり血行を促進するような対処の方が効果的です。   「でも湿布を貼ったら実際に痛みは軽くなるけど・・・」   そんな風に思う人もいるかもしれません。 確かにその通りで、腫れたり熱っぽくなくても湿布で痛みが軽減することはあります。 しかし、この痛みの軽減は湿布の冷感や温感によって痛みが紛れているだけだったり、湿布を貼ったことによる安心感によるものである可能性が高いのです。   肩こりや腰痛においては一時的に痛みを紛らわすために貼るべきか、副作用を避けるために別の手段を取るべきか、時と場合により正解が異なります。上記のことを理解し、ケースバイケースで適切に使用しましょう。     湿布以外の対策 肩こりや腰痛などは基本的に湿布は必要ありません。他にストレッチやヨガ、入浴、軽い運動や体操、鍼灸やマッサージや筋トレなど、症状を緩和させる方法はいくつもあります。 絶対的な正解というものはないので、取り組みやすいものから始めて自分に合った方法を見つけるのが良いかと思います。 万が一、ズキズキと痛んだり熱っぽさや腫れを伴っている場合はこれらの方法でかえって悪化してしまう可能性があるため、判断に迷う場合は専門家の意見を聞くと良いでしょう。     まとめ 湿布は決して万能薬ではありませんし、副作用もあります。 肩凝りや腰痛、膝の痛みなどに「取り敢えず湿布」というのは得策とは言えません。湿布が簡単に手に入る、病院で大量に処方されてしまうといったことも湿布の乱用を助長しているのは確かですが、個々人が正しい知識を持っていれば不要な使用を避けて適切に使用できるはずです。 デメリットにも目を向け、使う必要があるかどうか慎重に判断して欲しいと思います。 湿布も薬だということを認識し、正しく使うことが望まれます。     ------------------------------------------------------------ LINEで無料相談受付中! お気軽にご質問ください(^^)    続きを読む

スマホ首ならぬスマホツノ?

めまい

スマホのせいで後頭部にツノが生える? スマホ首については以前にも記事を書きましたが、今回は『スマホ角(ツノ)』とも言える現象をご紹介します。 過度のスマートフォンの使用は頭蓋骨の形にも影響を及ぼす そんな可能性を示唆するオーストラリアの興味深い研究です。   18歳から30歳までの若者218名を対象とする外側頸部のレントゲン写真を分析した研究において、被験者のうちの41%に外後頭隆起の突出が認められ、10%は20㎜以上(最大で35.7mm)の外後頭隆起が認められた。 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/joa.12466   18歳から86歳までの1200名を対象に、年齢や性別、前かがみ姿勢の角度と外後頭隆起の突出との関連について分析。被験者のうち33%に外後頭隆起の突出が認められ、男性のほうが外後頭隆起の突出が多く、前かがみ姿勢の角度が大きいほど、外後頭隆起の突出が起こりやすいこともわかった。 Shahar & Sayer, Scientific Reports, 2018     これらの研究でスマホやタブレットの使用とツノ状の突起との関連性が実証されたわけではないものの、興味深い研究であることは確かです。 実際にツノ状の突起自体が何か悪さをするわけではありません。しかしスマホ使用時の不良姿勢が首に大きな負担をかけ、頭痛やめまいなどを引き起こすことは紛れもない事実です。 思い当たる所のある方はこれをきっかけに日頃のスマホの利用について考え直してみてはいかがでしょうか?     参考までに… ↓ 研究者のインタビュー動画 ↓  続きを読む