ここのところストレートネックに関しての問い合わせが続いたので、これに関して私の考え方と症例を紹介したいと思います。
ストレートネックとは?
ストレートネックとは、その名のとおり頸椎(首の骨)の並びが本来のカーブを描かず、真っ直ぐになっている状態のことです。
このストレートネックは首の痛みや肩こり、頭痛、めまい、腕のしびれなど様々な症状の原因になると言われています。
ストレートネックは悪か?
ストレートネックの人全員に症状が現れるかというと必ずしもそうではありません。ストレートネックであるにもかかわらず無症状の人も大勢います。
ヘルニアがあるけど痛みもシビレもない
骨が変形していても無症状
軟骨がすり減っていても痛みがない
という人たちがいるのと同じですね。
このように、画像所見上の異常があっても自覚症状はないというケースは珍しいことではありません。
画像上での異常=症状の原因
という考え方は実は誤りなんですね。
つまり、ストレートネックそのものは施術をするうえで重要な問題ではないということです。
ストレートネックの症例
ここでストレートネックの症例を1例ご紹介します。
基本情報
年齢・性別:30代 女性
職業:システムエンジニア
主訴:頭痛
これまでの経過
慢性的な肩こりがあり、頭痛も日常茶飯事。
2か月ほど前から頭痛がひどくなり、来院時は頭痛薬が手放せない状態(痛みを抑えるというよりも飲んでいることで安心感を得ていたという側面が強く、実際に服薬による痛みの軽減はほぼなし)だった。
病院では頭痛の原因はストレートネックだと言われ、電気治療に温熱療法治療、マッサージなど色々と試すも改善せず来院。
当院における評価
長時間のPC作業を強いられる仕事であること、精神的ストレスを感じていることなどから、日常的に首~背中の筋肉が持続的緊張状態にあることが容易に想像できた。
触察すると後頭部から背部の筋肉に広範囲の緊張が認められた。
頭痛はこれらの筋肉に形成されたトリガーポイントからの関連痛として現れていると考え、まずは広い範囲にアプローチして頭痛の発生源となるトリガーポイントを絞り込んでいくことにした。
1回目施術
広範囲の検索により、特に後頭部と首の筋肉に頭痛を再現するトリガーポイントが見つかり、それらを丁寧に処理して初回は終了。
2回目施術
初回よりも全体的に筋肉の緊張が減り、頭痛の軽減を認めた。
初回施術後2日間は頭痛が全く起きなかったとのこと。
筋肉の柔らかさがでてきていたため、初回では検出できなかった隠れたコリを大量に処理することができた。
3回目以降
仕事、プライベートともに忙しくなり、やや強めの頭痛が出る日があったものの、概ね順調に頭痛の間隔が広がっていった。
7回の施術で完全に薬を必要としなくなったため一旦施術は終了とした。
まだまだバリバリ働きたいというご本人の希望もあり、現在は体調管理のために月に1~2回のペースで施術を継続している。
まとめ
骨の並びが異常であろうとなかろうと、この症例のように筋肉へのアプローチで症状が取れることは珍しくありません。
見かけ上の異常は症状の原因として非常に説得力がありますが、見た目の異常が原因とは限らないということは是非覚えておいて欲しいと思います。
頭痛にも色々な種類がありますが、ストレートネックが原因と疑われる場合には、筋・筋膜性疼痛症候群(MPS)だと考えた方がうまくいくかもしれません。
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